2023/10/18 答えは沈黙

 

 

 

Splatoonでとんでもないフェスが開催されようとしている。

【友達にするなら? ゾンビ vs ガイコツ vs ゴースト】

 

誰とも友達になんてなりたくねぇ!それはある。それがある上でのブッ込みだろう。沈黙!!それが正しい答えなんだ! それはそう。絶対に意志を表明してはいけない。どうする?家に来たら。選んだ怪異が翌日家に来たらどうするんですか。コンコン、ヌウッ「あなた、ぼくと友達になりたいって言いましたよね?」。おぞましい。だが黙っていちゃあスーパーサザエは貰えない。スーパーサザエは欲しい。さぁ何に属すか考えよう。

 

自己救済という意味で考えてみる。特に誰とも友達になりたくないのであれば、単純にどの勢力が1位になってほしいかで考える。そうするとおのずと「一番自分っぽい怪異」が1位になってほしいと思う。自分のキャラクター的属性が世論に「こいつと友達になりたい!」と支持されるのはいい気分だ。

 

ゾンビかガイコツがゴーストかで言ったら、自分は恐らくゾンビ側の人間だろう。ガイコツほどのビジュアルユーモアセンス(自己犠牲の上になりたつ身削り型オモシロ)もないし、ゴーストほどの精神的で捉えどころのない透明サブカルの気質もない。ゾンビは実態があり、実態がありすぎるがゆえにそれが不潔として表出し、すなわち臭く、歩くのが遅く、ヒトを噛んで足を引っ張り仲間に引き摺り込もうとする迷惑でハングリーな化け物だ。おれはゾンビタイプだ。おれはおれみたいなやつが好きだから、実際、友達になるとするならゾンビがいい。楽しくやっていけそうだ。お互いの腐り具合を腐し合いながら、ゴーストやガイコツのツルツルさ、整いすぎている感じ、何もなさを笑うのだ。おれたち泥臭く生きてるよな、だからくせえんだ。が口癖だろう。おすすめの消臭剤を教え合う仲になれるかもしれない。ゾンビが1位になったら気持ちが良い。

 

自分がゾンビ的人間だからゾンビが1位になってほしいと思っていたが、考えているうちに「友達になるなら?」という初期の問いにもゾンビと胸を張って答えるであろう自分に気付いてしまった。これはゾンビだ!ゾンビしかない!

 

ただここで、「自分が友達になりたいと思ったやつと友達になりにいく」行為が果たして正しく実るのか?という疑問が生じる。自分が友達になりたいやつと友達になれた試しがない。

 

進学の際など、新たな環境で交友を0から構築していく場面においては「こいつと友達になりたいな」という朧げな直感のみに従って最初の声掛けを始めるものだが、なんだかんだ最初に声をかけた「おれが見た目から判断したおれと地位が似ていそうなやつ=こいつと友達になりたいと思ったやつ」よりも、ただ席が隣のやつとか、「自己判断ではない、客観的に見てカーストが同じやつ」とか、そういう奴とヌルウと仲良くなっていくことが多い。「人は見かけにはよらない」し「多くの場合自分の判断は誤っている」からだと思う。おれはゾンビのビジュアルや生態から「こういう風な性格、人となりだろう」という自分勝手な判断をしたが、実際そうであるかは分からない。実際ゾンビは人じゃない。仲良くなれるかはわからない。冷静に考えて臭いが無理でした、で終わってしまう可能性は高い。

 

そうなると、とにかく無味であり、限りなく味付けが透明に近いキャラクターの方がいいのではないか?そちらのほうが友人としての「良さ」を見出すまでにストレスがなさそうだし、長期的に見ればヘルシーな関係を築けそうだぞ。という無難の悪魔が囁き始めるが、それは違うのでは、と言いたい。自主的に築く交友関係はある程度の外圧を伴うべきだと思う。幸運にも、簡単に関係を断ち切れない「家族」が優しい白魔導士としての役目を果たし、コミュニケーションのシェルターとして機能している場合、代替可能な「友人」は厳しい黒魔導士であったほうが”ケア”と”セラピー”が両立でき、健やかである気がする。そういう意味で、ゾンビの暴力的に立ち上がってくる腐敗臭......「いるよ感」は、時に耳(鼻)の痛い言葉も投げかけてくれる学友として、すなわち適度な外圧をおれに与え続けてくれる存在として、機能し続けてくれる期待がある。

 

ゴーストやガイコツは無味無臭かつどこか浮世離れした潔癖さがある分、もし彼らが友達だった場合、おれは彼らをアクセサリーとして扱ってしまう自覚がある。尊いたった一つの自分のことを「ゴーストと友達のおれ、ガイコツと友達のおれ」という下種な枠組みに押し込んでしまう危機感。ゾンビであれば、胸を張って横に立てる。

 

 

ゾンビだ。

 

答えは沈黙ではない、ゾンビだ。

 

クラピカ、

 

答えは、ゾンビだ