2024/04/28 おもしれー惑星

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最近、晩酌時に「ナイトアース」を見ている。夜の地球の自然の営みにフォーカスしたドキュメンタリー。

特にお気に入りの回が4話「真っ暗な海」で、文字通り真夜中の海に生きる生物たちを捉えている回だ。特定の生き物にベタ付きという訳ではなく、10分単位でコロコロと対象の生物が変わるが、とにかくどのカットにおいても「主役を決めよう」という意思がすごくて、見ごたえがある。生物のるつぼである海の中でとりあえずの主人公を定めてやることで、ただの自然現象にドラマが生まれるような建て付けがなされている。例えば劇中でカンムリブダイのおびただしい群れを捉えるシーンがあるのだが、「このカンムリブダイの5歳の若者のオスは...」という紹介がなされる。あまりにも群れの規模が大きいので、次のフレームですぐ他の魚たちとグチャグチャに混ざり合い誰か誰だか分からなくなりそうだし、正直撮影班も魚の個体の判別などついていないと思うが、とにかく「カンムリブダイの5歳の若者のオス」を主役にして物語が進行する。イワシの大群を捉えながらも、その中の1匹のイワシにズームし続けるようなものだ。それは恐らく不可能だし、まやかしかもしれないが、そう演出されると確かに全く見る心持ちが違う。がんばれ!カンムリブダイの5歳のオス!繁殖がんばれ!!他のオスに負けるな!!!という気持ちにさせられる。

そしてまあ、陳腐な感想だが、自然の、その、もう、ギャグじゃん。って思うぐらいの厳しさに、畏怖を通り越して笑ってしまう。4話冒頭、ウミガメの赤ちゃんたちがヨチヨチ歩きで海に戻ろうとするシーンが、本当にすごい。とんでもない時間をかけて海へとにじりよっていくウミガメの赤ちゃんたちに対し、一切の容赦なくカモメたちが次々と飛びかかり、くちばしで掴んで連れ去っていく。それがあまりに淡々と、全個体に対して当然のように行われるものだからそういうミニゲームに見えてくる。ただ、この大量の手続きの裏で生まれたばかりの命がやり取りされているっていうんだからとんでもない、そして、ウミガメの赤ちゃんたちが助かるためには「カモメがおなか一杯になるのを待つ」しかない、という絶望。彼らの魔の手から逃げることはできないのだ、頑張って走る、とか、コソコソ隠れながら進む、とか、そういうのがない。とにかく、先発のきょうだいたちが全部食い尽くされてカモメたちが満腹になるのを待つしかない、という、あまりにも受け身な手段でしか生きることができないウミガメベイビーズに涙を禁じ得ない。そんで、おびただしい数の兄弟の屍を乗り越えて、やっとのことで海に入った瞬間、大量のサメの群れに襲われて死んで行ったりしてすごい。ボスラッシュすぎる。新生児にワンダと巨像をさせるようなものだ。そこまでするかよ。自然。ギャグすぎる。ここまで徹底的だと面白い方に転んでいる。今、コロコロよりも何より最も原始的なギャグを提供しているのは間違いなく「自然」だ。自然、おもしろすぎる