2024/03/17 脱出速度

キリのいいところまで仕事をやっつけ、それをとりあえず先方に...ではなく空中に放った。はなった、ではない。ほおった。放(ほお)りました。つまりキャッチボールするようにではない。相手に取りやすいようボールを投げたわけではなくとりあえず一旦空中にほおり投げてみた、といった感じ。このままもう少しこのボールを握り続けることはできる。多分。このまましばらく握り続けて、もう少しこの球...を美しく磨き上げるだとか、もう少し投げやすいフォームを模索するだとか、そういうことはできる。でも一旦とりあえずのリミットが来てしまったので、ここは大人として、一旦ほおり投げてみました。ほおり投げたとも違うな。ほおり上げた。とりあえず真上にブン投げました。数秒後歪な球が頭上に落下してきて痛い目を見るのは自分なのだが、もうしょうがない。投げるしかなかった。不格好でも何でも時が来たのなら一旦手持ちを全部見せるしかない。腹を括って打ち上げました。この醜態から何かが開けることもあるであろう。基本的にこちらが誠実であれば弱者に市井は優しい。共に作品を世に射出する仲間同士であればなおさら。ここでの誠実さはリミットが来たら出来のいかんに関わらず発射することだ。

 

今、ゴルフボール大の球を、磨きも細部の作りもかなりおざなりの、作りかけの、途中のものを...とりあえず頭上に力いっぱい投げ上げ、そのまま雪原に大の字になって倒れている感じです。そのまま、新雪に指の先を突っ込み、たどたど日記を書いている感じです。ここまで伝わってますか?なぜ雪に例えたのか、とりあえず体を冷やしたいからです。作りかけの物を他人に見せるのが平気になるのって、何歳からなんですか?いつになってもたまらなく恥ずかしくて、体が熱を帯びているので冷やしたいのです。

 

このほおり投げた球が、そうだな、「絶対に押してはいけないヤバイボタン」みたいなのを直撃して、そこら一帯を焦土にして、もちろんおれもただじゃすまなくて、追放され、突然今までと全く異なる生活を強いられる...みたいになる妄想をする。おおいに、ある。今までがたまたまそうなっていないだけで、思うに、5分の1ぐらいの確率でそうなっていた気がする。なんで、なっていないんだろうなあ。それって、今日の為だったのかな?今日の球が、いよいよですか?あー楽しみ!空をジッと見上げ爆発の時を待つ。導火線の着火音は「確認しました!」のチャットの通知音である。その内容次第で、5分の1を踏み抜いたかどうかが変わる....