2024/05/25

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これの体験版をちょっとプレイした。嗚呼、チョコレートファクトリー!力強い名前だ、内容もそのまんまお菓子の工場を作るゲームだった。

チョコレートの岩石がそこら中に落ちているので、とりあえずそれを掘削して回るのだが、そのチョコレートがテラッテラのヌラッヌラで、おいしそうすぎる。ツルハシで打ち付けるとチョコレートのかけらが欠け落ちてくるが、ちいこいそのクズですらおいしそうだ。おいしそうすぎるのはよくない、無限に収集してしまう。人間には多分「食べ物を無限に収集してしまう」癖のようなものがあって、それはたぶん強烈な生存本能のようなものに裏付けられているのであろうがそれがクラフト要素と融合してすごいことになっている。こんなにあつめてもしゃあないよという具合にチョコレートと砂糖を蒐集してしまった。あと、敵体勢力がいるのもビビった。こんな素敵でやさしい甘い世界に敵がいるとは思っていなかったので...。捜索中どこかから鈍い音がすると思って拠点に帰ってみたら、かわいらしいジンジャークッキーがおれの拠点をタコなぐりにしていた、やめてよ。

 

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リュウジキンの「超新星紀元」を読んだ。かくかくしかじかあって14歳以上の大人が全員1年以内に死んでしまうことが確定した世界で、残された13歳以下(未満?)の子供たちが奮闘する話。

一貫して去っていく大人と、残された子供、という構図が描かれているが、個人的にはその中間層のふるまいが非常に気になる。死んでいくなかには当然15歳~18歳の人間も多く含まれるはずで、彼らの中にはまだ子供と言ってよい精神状態のものも多くいただろうが、彼らは死を受容できたのであろうか。大人は淡々と子供に技術を伝達し、淡々と役目を終え死んでいったが、彼ら中間層がどうやって死までのプロセスを経たのかは全く描かれていない、まるで15歳から20歳までの人間はこの世に最初からいなかったかのような語り口でこの本は進んでいく。そこが少し、こわい。たしかに冷静に考えてみると、あまり向き合いたくない層だ。

彼らは拓かれた未来に向き合うことも、何かを残すこともできない宙ぶらりんの層だ。迫る死のタイムリミットの前に、その巨大な時計の前に何もすることができない。もし彼らに子供がいれば、なにか後世に伝えおける技術があれば、残った時間をその「引継ぎ」に使えるが、彼らには引き継ぐものが無い、だってまだ「引き継がれる方」の年齢のはずなのに。それが無情な線引きで死の方に選別されてしまった。夜と霧における右左の指差しのようなものだろう。そこに意味はないが...つまり、なにもすることが無いので、この層には死を前にただただ後悔と恐怖と怒りしかないわけで。彼らを描かなかったのは救いなのかもしれない。あまりにも、たのしくない。