2024/05/29

好きな果物が「梨」と言っているひととはなんとなく腹を割って話せない印象がある

 

「梨」て

 

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最近よんでおもしろかった漫画2つまとめておく

 

1つは「カッパ少年紅介 昭和妖怪恋物語」妖怪のBL。カッパやタヌキや大ナメクジや化けガエルが繰り広げる恋物語、一部女性同士の恋慕もあるため、広義にはBLではないかもしれない。詠みやすい程度に擬人化された妖怪の描写が通してなまめかしく、妖怪というものについてまわる「ヌチャヌチャ感」が表されていて良かった。妖怪ってぜんぶヌチャヌチャしてそうじゃないですか?乾いている妖怪ってあまり想像できない。たとえば一反木綿でさえ、湿っている印象がある。濡れタオルとまではいかないけれど。少しこぼした汚水をぬぐってから参上いたしました、飛んでる間に乾くと思ったんですけど、みたいなスタンスでいつも飛んでいる気がする。だからいつも何となく湿っている。妖怪全体にそういううっすらとした湿り気が瀰漫していて、それが絵柄として表出している感じが「人間ではない世界をのぞいている」ふんいきを常に発していておもしろかった。主人公の紅介が美少年なのに下品なのが妖怪っぽくてすきでした

 

もう1つは「レタイトナイト」で、これは辺鄙な村の主人公が旅に出るファンタジーもの、とにかく世界観の作りこみに執念を感じ、漫画を読んでいるというより攻略本を読んでいる気分にさせられる。なにか既存のプログラムされた世界が秘密裏でこの世に走っていて、その解説を読んでいるかのような実存感。他の言葉で言うなら「資料集」「便覧」に近い。

お気に入りのセリフがある。主人公の1人がとある村で定食のメニューを全制覇しようと奮闘する。まいにち変わるメニューを食べながら、しみじみと、「味や温度や硬さが違うものが少しづつ並んでいるとうれしい」とボヤく。これ、わかるなあ、味や温度や硬さが違うものが少しづつ並んでいると、本当にうれしい!たとえ栄養バランスや総カロリーが一緒でも、具材を全部いっしょくたに煮込んだお鍋で喰らうのと、食感や温度の違う小鉢いくつかと主菜、副菜、汁物とで喰らうのとでは、全く満足感が違う!しょうじき、このセリフだけで読んだ意味があったくらい、いいセリフだと思う。本当にそうなので。本当にそうなことってあんまりこのごった煮の世界ではみつけることができない...