2024/02/14 卵色雨

一日ぐっすり寝たら足の痛みはだいぶ引き、このたどたどしい足取りは骨折のせいなのか固定具による歩き辛さのせいなのか分からなくなる。とはいえやはり無神経に歩くと有神経の如く痛むので、家中の移動は掴める場所をすべて掴んでの片足立ち移動を強いられている。掴める場所と言ってもそれ用に拵えられた手すりなどは当然無いので、ドアノブ、引き出しの取っ手、鈍重な家具などを頼れるものを全て頼り手繰って歩を進めている。宇宙空間での船外活動みたいだなと思う。

 

 

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安静を強いられているのでベッドの上で重めの本を読んで時間を潰すことにした。今日は劉 慈欣「三体」の上1巻を読んだ。昔、冒頭部分だけ読んだことがあったのだが、その難解さに積んでいたものだ。

 

日中、異様に暖かい11時頃の麗らかな日差しの中読み始め、あまりの面白さにページを繰る手が止まらず3巻に分かれている内の最初の1巻を何とか読み終えたときには日が沈んでいた。読み難さを覚えたのは最初の数ページのみで、第2章からは怒涛の展開と舞台が現代になったことで俄然読みやすくなり面白さが加速した。どうやら中国語の初版は諸々の都合で2章から始まり1章は後から挿入されるという順番だったらしいが、その版だったら自分ももっと早く読み始められただろうなあと思う、それほどまでに序盤(1章)の展開のみが異様にカロリー高めの作品であった。今日は下巻である2巻目と3巻目を読む。心躍る。楽しみでしょうがない。

 

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長崎に旅行に行っていた知人から見舞いに(本来見舞いとは関係なくただのお土産なのだが、タイミング的に見舞いとなった)和三盆のカステラを貰った。

 

 

台所までフォークや皿を取りに行く気力、体力もなかったので、一本満足バーの如くニュッと出して端からムシャ食いした。卵色の欠片がベッドに降り注ぎ、こんなことしなければよかったと思った。